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椿生が、裏通りにバイクを止めると、俺を抱えて表通りに出た。
俺と椿生が安東の姿を探していると、あちこちから声がかかっていた。
「店から出てもいいの?幾らなの?相手をしてよ」
「どの店なの?」
椿生は舌打ちをしながら歩き、安東を見つけた。
「場違いが、場違いのまま来ているのか?バカだろ、こいつら……」
「安東、少し、ややこしい事になっている」
安東は、防弾チョッキを着こんでいるが、いつものスーツであった。でも、雰囲気が会社員には見えず、あきらかに公務員でしかも捜査官だ。
「十津川は、この店にいます」
店は五階建ててで、窓にはピンクのカーテンがあった。
「十津川が無事に戻れば、先に送っていたパーツは誰のものかが問題になる」
「それは、第二公安部が改竄に気付き、嘉藤議員に報告されました」
それは、既に最悪のパターンになっているということだ。
「急ぐぞ」
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