第三章 波音は心音に似ている

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 店の裏から、店内に入ると、店内は接客をする店員と客とで賑わっていた。店員は俺達の姿を見て、追い出そうとしたが、椿生を見ると無言になった。 「三階にいます」  店員は、三階の鍵を渡すと、階段に案内してくれた。  階段を登って三階に行くと、部屋が二つに分かれていた。どちらに入るか迷ったが、渡された鍵を確認すると、椿生に渡した。  椿生は、鼻歌をうたいながら鍵を持ち、全員を壁際に避難させた。 「ドアを開ける」  ドアがゆっくりと開くと、激しく銃弾が飛んできた。店員は、俺達が来た事を鈴宮に知らせていたのだろう。 「あ、やっぱり……」  どこか椿生は楽しそうで、仲間に電話を掛けていた。 「俺に銃を向けるとは、いい度胸だよね……」  しかも、椿生を確認して案内しているので、確信犯だろう。
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