第三章 波音は心音に似ている

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「まあ、いいよ。この店に、十津川がいない事は確認できたし」  確かに、モタモタしていたが、俺達の行動が相手に漏れているという事は分かった。 「夏目さんのいた地下社会では、こういう場合はどうするのですか?」 「どうにもしないよ」  どう動かしても爆発するように出来ているので、この場所が爆破されるという事だ。多分、この爆弾を作った製作者は、解除の方法を組み込んでいない。 「椿生、俺は逃げるよ」 「そうだな」  俺達が逃げようとすると、階段のドアが閉められ、鍵が掛かっていた。でも、窓があるので飛び降りようとすると、下にも銃を構えた人が待ち構えていた。 「階段で降りるか……」  階段の鍵を撃ち抜いてドアを開くと、そこには大量のトラップが仕掛けられていた。 「八方塞がりか……こりゃあ、いいね!」  椿生が笑い出すと、安東の髪が飛んでいった。
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