第三章 波音は心音に似ている

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「クレイジーばかりですね……」  外で銃を構えている連中は、地下社会の者であった。 「大丈夫だよ、安東、俺はちゃんと手を打ってからきているよ。まあ、時間があればの話だけどね」  だが、自力で抜け出して、十津川の所在を確認しておきたい。  俺はセンサーで下の様子を確認すると、廊下を音波銃でぶち抜いて、下に降りた。 「椿生!遊ぼうぜ!」 「……あいよ!」  椿生は迷いもせずに、二階の廊下を走ると、突き当りの壁を蹴り飛ばした。すると、壁が抜け、外が見えていた。だが、外が見えただけではなく、すぐに凄まじい数の銃弾も撃ち込まれていた。バリバリバリと壁が撃ち抜かれて崩れ、穴が大きくなってゆく。椿生は、壁際に避けながら、ポケットからナイフを出すと確認していた。  接近戦になると、銃では他の相手に当たってしまうので向いていない。椿生は接近戦に備えてナイフを出しているが、それは突入してくる相手を待っているわけではない。
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