第三章 波音は心音に似ている

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 西海は、道路に着地すると、俺を地面に降ろしていた。続いて、安東達も飛び降りてくると、椿生に加勢しようか迷っていた。 「加勢したら、椿生に殺されるよ。あれは、遊んでいるのさ」  椿生はクレイジーで、命を懸けないと面白く感じないのだ。 「安東、十津川の居場所が移動している。これは、車だな。まだ、裏社会にいるから、追う事が可能だ」  安東は俺の追跡情報を確認すると、どんな色の車でどこに向っているのかなどの、情報を捕捉していた。更に、車を衛星でマークすると、一緒に来ていたメンバーに送信していた。 「西海、バイクで来ているよね?これを追って」  西海がバイクを出してくると、安東達もバイクを出して、追い始めていた。 「又、十津川の情報がダミーだということはありませんか?」  西海は、俺を後ろに乗せながら、ヘルメットのマイクで会話してきた。
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