あの子がよかったんだよ

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「それでね。父さんと母さんと、オヒョウさんも子猫も家に入れようって話をしていたら遅くなっちゃったんだ。遅刻しちゃってごめんね」 「え? 四匹とも引き取るの?」  思わぬ言葉に彩白が驚いて聞き返すと、結斗は大きく頭を縦に振る。  家族全員で話し合って決めたこと。  オヒョウさん親子は青海家の家族として迎えられることになったそうだ。  朗らかな結斗が育った家庭らしく、「なんとかなる」で意見が一致したらしい。  それを心の底から嬉しそうに話す結斗を見て、彩白は微笑ましく思いくすくす笑う。 「ふふ、そっか。賑やかになりそうね」 「うん。一気に家の中が賑やかになりそうで、今から楽しみだよ!」  後日。  結斗から子猫たちの名前を決めた報告を受け、そのネーミングセンスに彩白が再び首を傾げてしまうのだが――。  それはまた、別のお話。
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