婚約者の私は相手の行動次第で裏切るかもしれない

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1.瀬奈梨香 私の名前は瀬奈梨香【セナリカ】。 年齢20歳で瀬奈邸のご令嬢です。 私は実は婚約者。 もちろん相手がいるのです。 相手のお名前は浅野拓哉【アサノタクヤ】。 年齢28歳で浅野邸の御曹司です。 今、私は浅野邸に遊びに来ています。 私はプールに入っているのです。 「こうやって泳ぐと気持ちいいわね」 私はプールで泳ぐ事によって満喫している。 その時だった。 私のお尻を触られた。 犯人はわかっているのだから……。 「拓哉っ!」 「何だよ、梨香」 「本当にいやらしいっ」 「男性だしな、それに梨香のお尻が触ってくれと言っていたぞ」 「お尻がそんな事を言うわけないでしょ」 「バレたか」 「そういう事をしていると婚約者として許さないし、放棄するよ?」 「わりぃ、調子に乗り過ぎた」 「わかればいいのよ、わかればね」 拓哉はこちらをじっと見つめている。 きっと何かを考えているのでしょうね。 どうせろくな事じゃないでしょ。 私はプールから上がると更衣室に向かった。 更衣室の中に入ると私の着替えがなくなっている。 「あれ? 私の衣服と下着は何処に」 私は更衣室の中を探している。 しかし、何処にも見当たらない。 一体どういう事なのか。 まさか、また拓哉の仕業ね。 本当になんなのよ、もうっ。 私は水着のまま更衣室を出ると拓哉を探す事にした。 「拓哉ったら、何処にいるのよ」 必死こいて拓哉を探している。 いくら探しても拓哉が見つからない。 「拓哉っ! 出てきなさいっ!」 叫んでも出てこない。 私は仕方がないので外へ出ることにした。 玄関に着くと扉を開けて外へ出る。 私は水着のまま瀬奈邸に帰ることにする。 そのまま歩いて帰ろうとすると呼び止められた。 「梨香、何処に行くんだよ、今日は浅野邸に泊まるんだろ」 「そんな知らないわね」 「どういう事だよ」 「貴方ね、人の着替えと下着を何処にやったのよ」 「知りたいか?」 「教えなさい」 「教えるかよ、馬鹿」 「婚約者に向かって馬鹿ってどういう神経しているのよ」 「はぁっ? 婚約者なら俺の言う事を聞いてろよ」 「何、その上から目線は」 「俺がルールだ、婚約者の梨香」 「あのね、いい加減にしなさいよっ!」 私は拓哉の元へ行くと拓哉の頬を手で叩いた。 「痛いじゃないか」 「貴方が悪いのよ」 「俺は悪くねぇ~」 「いいえっ、貴女が悪いの」 「俺は悪くねぇ~」 「貴方が悪いんです、認めなさい」 「俺は悪くねぇ~」 「どうして認めないのよ」 「俺は悪くねぇ~、認めるか」 「なら、婚約者として言います、すべて白紙に戻しましょう」 「上等だ、白紙にしてみろ」 「よく言えたわね、じゃあ、今までの事は白紙ね、さようなら、拓哉」 私は水着のまま浅野邸を出て行った。 これでいいのよ。 拓哉は私の事をなんとも思ってない。 こんな人とは婚約者として……。 考えるだけでイライラする。 さっさと瀬奈邸に帰りましょう。 私はしばらく歩いていると瀬奈邸に到着する。 「やっと着いたわね」 私は瀬奈邸の中に入ろうとしたら、誰かから声をかけられる。 一体誰よ、今の私はイライラしているの。 「梨香、俺だ、拓哉だ」 「……」 「さっきは俺が悪かった、許してくれ、後これも」 私の衣服と下着を拓哉は渡してきた。 「返してくれてありがとう」 「俺が悪かった」 「本当に反省しているの?」 「反省している」 「信じるよ」 「ありがとう、梨香」 その時、拓哉は口元が笑っていた。 拓哉はいきなり私に抱きついてきた。 「梨香、梨香、大好きだ」 「な、何をするのよ、やめて」 拓哉は私の胸を触ってきている。 「胸を触らないで、やめて」 拓哉は胸を触るのをやめてくれた。 そうすると今度は私に口付けをしてきた。 もう一回、拓哉は私に口付けをしてきた。 「これが俺の証明の仕方だ」 「た、拓哉」 拓哉の思いが私に伝わってくる。 私は婚約者として間違っているのかもしれない。 拓哉の行動のせいで裏切ろうとしていた。 しかし、それは危うく間違える所だった。 拓哉を裏切るのはやめよう。 これからは婚約者として拓哉とともにいることにした。 きっとそれが幸せだろうから……。
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