らくらく安全システム

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「へぇー。みっちゃんは、何でもよく知っているんだね」 「世の中には情報が溢れていますから、知るだけなら簡単なことです。それより、情報をどう利用するのかが大切なんです。係長が、行動が大切だと言うのと同じことです」 「みっちゃんには脱帽だよ。それで、僕らが交代で老人の安否情報を監視しようということ?」 「交代という形だと、係長がおっしゃるようにスマホに縛られてしまいますよね。……データを複数の人に送ってはどうでしょうか? 気付いた誰かが対処し、その情報を共有するんです」 「相手がやってくれるだろうって、無責任にならないかな?」 「入居者の命にかかわることです。総務課に、そんな無責任な人はいないと思います」 「えっ……、総務課って言った?」 「はい。6人いれば、夜中でも誰かが目覚めると思います」 「なるほど。それなら何とかなりそうだね」 「係長は、シェアハウスの〝らくらく安全システム〟のコントロールを当社に譲ってもらえるように折衝してください。私は、入居者にその旨を伝えて了承を取ります」 「知的財産だと拒否されないかな?」
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