第三夜「親子」

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「おとう……さん……ごめんな……さい! ロイジーちゃん、見つけられなかったよ……お母さんがよろこぶって……思ったのに……」 「お父さん、今日という今日は怒ってるからな……! 罰として……しばらくこのまま抱きしめの刑だ……!」  友彰と月麦が抱きしめ合う光景を、澪憂と久嗣は静かに見つめた── 「友彰さんほんと凄いですね。まさか月麦ちゃんが本当にあの小動物を追いかけていたなんて……」 「名推理だな。トッキーなかなかやるじゃねぇか。自分の子供のことをちゃんとわかってる」  澪憂は二人の仲睦まじい光景を見つめながら、目を細めて呟いた。 「──『血が繋がってない』とかそんなの関係ない……やっぱり、二人は“親子”なんですよ」  月麦を無事に見つけることができた三人はしばらくの間、ここで休息の時を過ごした──
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