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友達は作らないと決めていた。
この休みが終われば、僕は駅前の予備校に通う。
志望校は、都内の名門校だ。
行きたいわけじゃない、父親がうるさいからという理由を言うとみんな少し笑って
「嫌だって言えばいいでしょ?」
彼等はわかっていない。嫌だと言ったら殴られることを。
殴られるときに怖いのは、殴られることではなく、いつ殴られるのか怯えているときだ。
殴られたあとは、鼻血が出ようが、口の中が切れようが大したことじゃない。
痛みは慣れる。恐怖に慣れることはない。
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