理科室…

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理科室…

「着いたね…」  2階の突き当たりにある理科室の前までやって来た三人は、入り口の前から動けず、懐中電灯で中を覗いていた。 「………」 「奈々ちゃん、入らないの…?」 「は、入るわよ!!肝試しに来たんだから…」 「私、理科室苦手なんだ…。美奈ちゃんは?」 「ちょっと、苦手ね…」 「だけど、三人一緒なら大丈夫、だよね…」 「そうね…」 「い、行くわよ…」  言いながら、唾を飲み込んだ奈々は先頭をきって理科室の中へと足を踏み入れた。 二人もびくつきながらも後に続き、辺りを見回した。 「うっ、薬の臭い…」 「私、この臭いが苦手なのよ…」 「私も…」 「まだ備品とか残ってるんだ…。美奈、ここの噂は?」 「確かね…」  奈々の質問に、美奈は聞いた話を思い返しながら理科室の噂を話し始めた。  理科室の噂。  それは、深夜に理科室の準備室にある骨格標本と人体模型が動き回るというよくある七不思議だ。  この二体は学校の創立記念にと卒業生達から贈られたもので、贈られた理由は、自分達が本物を見たかったからいうものだった。 実際、卒業生達は元の担任に会いに来た時や学校を見に来た時は、理科室に寄って見て行く事もあった程この二体は好かれていたのだ。  そんな二体が動き出すと噂され始めたのは、学校が廃校になると決まった時からで、噂が流れても誰一人驚くことは無かった。 二体は、廃校になるまでに学校をよく見ておきたいのだろうと誰もが思っていたから…。  しかし、この噂にはもう少し続きがあった。 「でもさ、夜中に人体模型とか骨格標本は見たくないよね…」 「そうだね…」 「それがね、動き回ってるのを見た人はいないみたいなの…」 「「…え?」」 「見たって言われる人は皆、何かしらの不幸に見舞われたらしくて…」 「そ、それって…」 「…見たら、駄目って事なんじゃ…」 「噂は噂だから…。それに、見た人は少ないみたいだし、三人でいるから大丈夫よ」 「「………」」 「見に行くの、止める…?」 「奈々ちゃん…」  美奈と莉奈に見つめられた奈々は、少し顔をひきつらせながらも行く事を決意した。 奈々の返答に美奈は苦笑を浮かべたが、莉奈は青ざめた。 「ほ、本当に行くの…?」 「ここまで来ちゃったんだから、引き返すのは、ね…」 「準備室はここね」  三人は理科室の奥にある『準備室』と書かれた札が掛けられている戸の前まで来ると、一度顔を見合わせ、唾を飲み込みながら代表で奈々が戸に手を掛けた。  戸は少し錆びていて、音が理科室全体に響いた。 キィィィ 「奈々、人体模型か骨格標本あった?」 「え、と…、あ!あった!!」 「どこ?」 「ほら、あの奥の方」 「莉奈、そんなに怖がらなくても大丈夫よ。動く訳無いわ」 「でも…」 「私、初めて見たな~」 「私も…」 「二人とも…、見たなら、次に行こう…?」 「ふっ、そうね。奈々、次に行きましょう」 「もう、莉奈は本当に怖がりなんだから…」  あまりにも怖がる莉奈に苦笑し、奈々に此処を出ようと提案した美奈。 奈々も仕方無いと言った様子だったが納得し、三人は人体模型と骨格標本の前を後にした。  二人の言葉にホッとした莉奈は、先を歩く二人に置いて行かれないようにと急いだ。 瞬間、何故か二人は戸の前まで行くと足を止め、莉奈が不思議に思っていると、突然戸を閉めてしまった。  何事かと思い二人に声を掛けようと口を開いた莉奈だったが、どこか雰囲気が違っていることに気付き、口を閉じた。 (あれ?奈々ちゃんと美奈ちゃん、様子が…) 「莉奈ちゃん…」 「…え?」 「そんなに、あの二体が怖い…?」 「美奈、ちゃん…?」 「…もっと…」 「よく見てよ!!」 「キャアァァァ!!」  小さく声を掛けてきながらゆっくりと振り返った二人に違和感を覚え、思わず後退った莉奈。  次の瞬間、奈々が自らの顔に懐中電灯を当てるとそれは人体模型そのもので、その隣にいる筈の美奈は骨格標本になっていたのだ。 迫って来る二体に恐怖を感じた莉奈は悲鳴を上げ、腰を抜かし、その場に座り込んでしまった。 「そんなに怖がらないでよ、莉奈ちゃん…」 「僕たちはそんなに怖くないよ…」 「い…や…、来ないで…」 「はあ、駄目みたいだね…」 「う~ん…。こうなったら、僕たちを知ってもらう為に、莉奈ちゃんと一緒に遊ぼう!」 「そうだね!!何して遊ぶ?」 「…え?」 「まずは、身体を見せっこしよう!」 「いいね!莉奈ちゃん、彼のことよく見ててね。その次は莉奈ちゃんの番だから」 「きゃっ!?」  言うか言わないかの内に、人体模型と骨格標本は莉奈を前後で挟み込んだ。  後ろに回り込んだ骨格標本は莉奈を後ろから抱き締め、前から莉奈を見つめていた人体模型はペコリと頭を下げると、懐中電灯を片手に持ち自らの身体を照らし始めた。 筋肉の部分や内臓の部分を部位の説明をしながら、ゆっくりと頭、肩、胸、腹、股間、太もも、足の順に懐中電灯の光を当てていく。 暗闇の中、光に当てられて浮かび上がる人体模型の筋肉や内臓に莉奈は青ざめ、目を背けようとしたが後ろから骨格標本に顔を抑えられ目を瞑るに留まった。 「はい、おしまい!次は莉奈ちゃんの番だよ」 「さ、莉奈ちゃんこれ脱いで脱いで!!」 スルッ 「やっ、いや…、止めて!!」 「…駄目だよ」 ビクッ  再びペコリと頭を下げた人体模型が懐中電灯を莉奈へ差し出すと、後ろの骨格標本が莉奈の服に手を掛けて脱がし始めた。  急な事に目を見開いた莉奈が服を掴み抵抗すると、突然、人体模型が声を低くして迫って来たのだ。 それまでとの雰囲気の違いに莉奈はビクつき、思わず服を掴んでいた手を緩めていた。  莉奈の手が緩んだ事に気付いた人体模型はニコッと笑うと、骨格標本と一緒に服を脱がし始め、莉奈は服から下着から全て脱がされてしまった。 「このままでも良いかな。莉奈ちゃん、僕がこれで光を当てるから、当てられた所の名前を答えていってね」 「ううっ…」 「じゃあ、始めるよ!」 「あ!ねえねえ、もし莉奈ちゃんが答えられなかったら、罰ゲームしようよ!!」 「え!?」 「良いね!!罰ゲームは何にする?」 「そうだな~…、そうだ!僕たちの言う事を聞いて貰おうよ!!」 「い、いや…、やだ…」 「決まりだね!!罰ゲームは嫌なことじゃないと意味無いもんね」  楽しそうに話す人体模型と骨格標本から逃げようと、莉奈は必死に藻掻いた。 けれど、そんな抵抗は虚しく終わり、身体の部位答えゲームは始まった。 「莉奈ちゃん、ここは何て言う所でしょう?」 ピタッ 「え、あ…、は、鼻…」 「正解!!」 「じゃあ次は…、ここは?」 ムニッ 「やっ!?触らないで…」 「ほら、早く答えて!」 「答えないと罰ゲームだよ?」 「うっ…、む、胸…」 「はい、正解~」 「それじゃあ、ここは…?」 ツプッ 「お、おへそ…」 「またまた大正解!!」  次から次へと問題を出しながらその場所に触れてくる人体模型と骨格標本に、莉奈は涙を堪えながら答えていった。  しかし、全て答える莉奈に二体はつまらなさを感じ始めたのか、声が段々となげやりになり始めた。 「う~ん、なら、ここは?」 プニッ 「く、唇…」 「…正解。はあ~…」 「なかなか罰ゲームにならないね…」 「………あ、なら、ここは?」 ガバッ フニッ 「っ?!いやぁぁぁ!!」 「ほら、早く答えて?」 「ここは、何て言うの?」 「見ないで!!いやっ、触らないで!!」 「答えないと…」 「罰ゲームだよ?」 「ふぅぅぅ…」 「3、2、1。はい、時間切れ!!」 「莉奈ちゃん、罰ゲーム決定!!」  人体模型の思い付きで両足を広げられ、骨格標本に足を固定されたまま、懐中電灯で股間を照らされた挙げ句触られた莉奈は涙を流して抵抗した。 けれど二体は、それまでとはうって変わってどこか楽しそうに話を進め、莉奈が答えられずにいると罰ゲームへと持ち込んだ。  二体は嬉々として莉奈への罰ゲームを考え始め、そして、すぐに内容を決めて莉奈へと告げた。 「罰ゲームの内容が決まりました!!」 「莉奈ちゃんへの罰ゲームは、莉奈ちゃんのココに僕のコレを挿れることです!!」 「や…、いや…。止めて…、お願い…」 「駄目だよ。罰ゲームなんだから」 「それじゃあ、挿れるよ?」  罰ゲームの内容は、莉奈の大事な部分へ人体模型のモノを挿れてみるというもので、莉奈は何とか止めて貰おうと骨格標本の腕にしがみついた。 二体はそんな莉奈の言葉に一切耳を傾けず、骨格標本は莉奈の足をしっかりと広げた状態で抑え、人体模型は自らのモノを莉奈の大事な部分へと近付けゆっくりと先の部分を挿し込んだ。 「うっ…うっ…」 「あはは、何かヌルヌルしてる!!」 「本当?」 「指挿れてみれば分かるよ!!」 「え、や!?あぁぁぁ!!?」  あまり大きくは無かったものの、人体模型のモノを挿れられている異物感に莉奈は目を瞑り泣いていた。 その間も、二体は莉奈に構う事無く話をしていたが、人体模型の一言に骨格標本が頷き、未だモノが入っているナカヘ骨の指を挿し込んで来た。 ナカを広げられる感覚に莉奈は声を上げながらも、必死にそれらを抜こうと藻掻いた。  瞬間、骨格標本の指が間接から取れてしまい、莉奈のナカに取り残されてしまった。 「あ~あ、莉奈ちゃんが暴れるから僕の指取れちゃった…」 「あはは!!何かナカがゴリゴリいって面白い!」 「あっ…、ん…。止め…動かない、で…」 「え~…?ん~、なら、今取るからちょっと待って」 「い、いや…」  言いながら、人体模型は莉奈のナカからモノを抜くと、今度は指を挿し込んで骨格標本の指を探し始めた。  その光景に、莉奈は恥ずかしさを感じ同時に恐怖と疲れから意識を失った。  その後、誰かが名前を呼ぶ声が聞こえ莉奈がゆっくりと目を開けると、目の前には奈々と美奈が心配そうに顔を覗き込んでいた。 「莉奈!良かった~…」 「大丈夫?」 「私、何して…」 「あはは…。莉奈ってば怖がって部屋を出る時、ドアに頭をぶつけたんだよ?」 「そう…」 「痛くない?」 「…うん。ありがとう、心配してくれて…」 「さ、莉奈も目覚めたし、次に行きましょ!」 「…ねえ、美奈ちゃん。人体模型と骨格標本、動いた?」 「ううん。全然動かなかったわよ」 「そう…」 「さ、奈々が行っちゃうわ。行きましょう」 「うん…」  美奈に手を引かれ、理科室を後にした莉奈は何となく視線を感じ振り返ったがそこには何も無く、気のせいだと思う事にした。 股間の違和感にも…。 終わり
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