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プールで…
「結局、噂は噂なのね…」
「そうね…」
「美奈ちゃん、ここの噂って…」
理科室を後にした三人は、一度階段を降り、階の一番奥にあるプールへと来ていた。
今までに三つの場所で噂話を調べていた三人だったが、どれもはっきりと何かを見なかった為、奈々は飽き始めていたのだ。
そんな中、莉奈は恐る恐る美奈にプールの噂を訊ね、美奈は淡々と噂について語り始めた。
プールでの噂。
ある年、この学校の代表として大会を控えていた少年がいた。
少年は大会に向けて、そして泳ぐのが好きだったこともあり放課後遅くまで一人プールに残っていた。
けれどある日、少年は泳いでいる最中に意識を失ったらしく、翌日、少年が来ていないことに気付いた担任によって、プールに浮いている所を発見された。
その日から、放課後になるとプールで泳ぐ少年の姿が目撃されるようになったと言うものだった。
「…と、言われてもね…」
「プールの水は、もう無いものね…」
「幽霊は、出ないよね…」
三人は、既に水の張られていないプールを見つめ肩を落とした。
それから莉奈が小さく「もう、行こう?」と言った為、美奈は頷き、奈々も大きく溜め息を吐いて頷く。
美奈は先に行き、莉奈も後に続くと奈々へと声を掛けた。
「奈々ちゃん、行こう」
「はぁ…」
パシャ
「え…?」
既に、美奈と莉奈の二人は出入口を抜けていて、奈々があとに続こうとしたその時、後ろから水音が聞こえ振り返った。
同時に出入口の扉が閉まり、驚いて振り返った美奈と莉奈。
だがそこに奈々の姿は無く、明かりも奈々が持っている為、二人は真っ暗な闇の校舎に閉じ込められた。
一方、扉が閉まったことにも驚いた奈々だったが、背後に人の気配がして、ゆっくりと懐中電灯をそちらへ向けた。
懐中電灯を向けた先には、水着姿の少年がぼうっと立っていて、奈々は思わず後退った。
(!…まさか、噂の…)
「…ねえ…」
「!」
「僕と、勝負してよ」
「………」
「お姉さんが勝ったら出してあげる」
「………」
「僕が勝ったら…、僕の願いを聞いて?」
「…勝負って?」
「ここを泳ぐの」
「!?」
少年の指差す方へ目線だけを向けた奈々の目に飛び込んで来たのは、なみなみと水を張ったプールだった。
先程との様子の違いに奈々が驚いていると、少年はいつの間にか側まで来ていて、奈々をジッと見つめていた。
「きゃっ!?」
「勝負するの?しないの?」
「っ…、し…」
「しないなら、お姉さんの負けだよ?」
「なっ…」
「どうする?」
少年の言葉に戸惑いながらふと自らの身体に視線を落とすと、いつの間にか衣服は水着へと替わっていた。
驚きながらも、結局は勝負を受けるしかないという結論に至った奈々は意を決して、少年の勝負を受けることに。
喜ぶ少年を横目に、泳ぎにも体力にも自信があった奈々には、自らの勝利しか見えていなかった。
互いにコースに着き、飛び込む姿勢をとるとどこからともなく笛の音が聞こえ、二人は同時に飛び込んだ。
勝負は五分五分だった。
けれど、あと数センチの差で奈々は負けてしまったのだ。
「はあっ、はあっ…、う、そ…」
「僕の勝ちだね、お姉さん!!」
バシャッ
ギュッ
「きゃっ?!な、何を…」
「僕のお願い事、聞いてくれるんだよね?」
ムニッ
「やっ!どこ触って…」
ドンッ
バシャッ
嬉しそうな様子の少年に抱き着かれ戸惑った奈々だったが、不意に胸を揉まれ、驚いて勢い良く少年を突き飛ばした。
しかし少年との距離はあまり変わらず、奈々は少しずつ距離を取る。
「………お姉さん、約束は?」
「な、何を…」
「…聞いてくれるんでしょ?」
「それは…」
自分をジッと見つめながら訊ねる少年に、どこか恐怖を感じながらも返した奈々。
瞬間、少年が水中へ潜った為、焦った奈々はプールから上がろうと縁に手を掛け力を込めると、そのまま身体を浮かせた。
それから片足を上げ、何とか水中から逃れようとした奈々だったが、まだ沈んだ状態の足を引っ張られ水中へと引き込まれる。
藻掻きながらも薄目を開けた奈々は、自らの足にしがみつく少年の姿を目にし、恐怖から少年をもう片方の足で蹴りつけた。
すると、少年は奈々の足から離れ、姿を消した。
これ幸いと奈々は必死に水面を目指し、顔を出すと、警戒しながら少年の姿を探す。
その時、背後から肩を通りゆっくりと腕が伸びて来て、奈々は慌てたが時すでに遅し。
少年は背後から奈々に抱き着き、今度は水着の中へと手を差し込んで直接、胸を揉み始めたのだ。
ムニュ
「いやっ…、な、にして…」
「お姉さん、約束守らなきゃ駄目だよ…」
キュッ
「んっ…」
言いながら、少年は奈々の胸の突起を摘まみあげたり、爪先で引っ掻いたりと弄っていた。
段々と敏感になっていく身体に、奈々は焦って少年の腕を掴むと、引き離しに掛かった。
「やめ、な…、さい…」
「約束は約束だよ。僕のお願いは、聞いて貰うから」
再び姿を消した少年に奈々は驚いていたが、またどこからか現れる前にとプールの縁に手を掛けた。
すると今度は、腰の辺りに抱き着かれ、がっしりとしがみつかれてしまった。
「!?やっ、どこ触って…」
「僕のお願いはね…」
スリッ
「!」
「お姉さんとエッチなことがしたいんだ」
ムニッ
お尻に硬いものを擦り付けられ、みたび片手で胸を揉まれ、もう片方の手で内腿をなぞられて奈々は、身体をビクつかせた。
それでも少年の手を解こうと縁から手を離した瞬間、地に足が着かなくなり沈んでしまった。
「え…ガボッ!?」
「僕、お姉さんが相手で嬉しい…」
チュッ
いつの間に移動したのか、少年は奈々の眼前に来ると、唇を自らの唇で塞いだ。
息苦しさから、奈々は必死に藻掻いたが意味をなさず、その間も少年は奈々の身体に手を這わせ、好きなように弄り続けた。
胸を揉まれ、時に突起を摘ままれ、股間に手を伸ばすと、水着の隙間から直接指を滑り込ませ下半身の敏感な部分を責め立てられ。
頭は働かなくなり、抵抗という抵抗も出来なくなった奈々に気付いた少年は、一度手を止めると、自らの硬くなったモノを取り出し、奈々のナカヘと挿し込んだ。
ナカからの圧迫感に一度目を見開いた奈々だったが、その後意識を失い、少年ともども水中へと消えていったのだった。
一方、校舎の中に閉じ込められた美奈と莉奈は、何とかして校舎から外に出て奈々を助けに行こうと話し合い、闇の中へと駆けて行った。
終わり
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