誕生日

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「拓海ごめんな。 高校を辞めてくれないか……。」 お父さんの口から急に出た言葉だった。 「え……。あと一年で卒業なのにどうして……。」 僕の家は確かに生活が苦しかった。 あとから聞くと「就職をしてほしい。」との事だった。 でも、やっぱり答えは出せなかった。 一人部屋に戻り手紙を読み返した。 「いや……。書いてある通りだよな。 まさかこんな誕生日を迎えるとは思わなかったよ。」 何だか“怖い“と言う気持ちより もっと違う感情が自分にはあったんだ。
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