手紙で交わす、幼なじみへの思い

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 第三章 「相思相愛」  それから二週間後の夕方。ルカが家の郵便受けをのぞくと、一通の手紙が入っていた。便箋は三枚ある。開けて読んでみると、『ルカへ この間はありがとう。俺が書いたものは今日、届いたんだな。小さい時はよく手紙を出しあったりしてたけど、最近は送る回数が減っちゃってたよな。ちゃんと気持ちが伝わればいいけど。  俺はお前と子どもの時にわかば図書館で出会ってから、ずっと一緒に時間を過ごしてきた。楽しいことやつらいことをたくさん経験していく中で、お前のいいところを見つけていくうちに、心がお前のほうに向いていった。びっくり してるかもしれないけど、これは俺の正直な気持ちだ。いつも笑顔にさせてくれてありがとう 秋二』と書いてあった。   手紙を読み終え、ルカは温かい気持ちになった。彼の丁寧な字から、彼女に 対する慈愛(じあい)が伝わってくるのを感じた。彼宛てにルカが出した手紙は、明日の昼に秋二の元に届く。夕食と入浴を終え、ふとんに入ってからも彼女の心拍数は上がったままだった。  そして翌日の昼。秋二もまたルカから届いた手紙を読み、彼女と同じ気持ち を感じていた。白い便箋には『秋二へ 素敵な手紙をありがとう。いつも気にかけてくれるあなたに、とても支えられています。私もあなたのいいところを 見ている中で、今心が惹きつけられています ルカ』と書かれていた。      
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