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独りでひっそり暮らすだけなら、意外と困らない。ネットで大概のことはできるし、ゲームで身体も動かせる。何気にマッサージチェアもあるし、家賃や光熱費も微々たるものだ。
乱立した木造の貸家は古い故に賃料も安いし、大家さんと直接交渉できる場所も少なくない。
預貯金さえしっかりと管理し、贅沢しなければ何とでもなるのだ。
そんな生活を3年続け、そろそろ先のことを考える必要が出てきた。
金が無いわけではないが、社会復帰も吝かではない位には心も落ち着いてきたし、まあ何でも良いから行動したくなってきたのだ。
現場ばかりの仕事のおかげか、それなりに資格も経験もある。
貯金潰さない程度の収入さえあれば良いから、仕事もそんなに選ぶ必要もない。
「まずは、久々に携帯の契約を復活させてみますかあ」
そんな独り言と共に玄関を開けた瞬間、オレは……。
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