18人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふわぁ!」
「やぁ。また会ったね、スウ」
「シル! ……なんでいつもいつも僕を追いかけるの」
「それは俺が猫だからさ」
「鼠なんて沢山いるんだ。他所へ行ってよ」
「ああ、沢山いるね。だけど君は白くて目につくのさ」
「……だから嫌なんだ……こんな体……」
「なぜ? とても綺麗だよ」
「お願い。僕、この町を出るから。もう、二度とあんたの前に姿を見せないから追いかけて来ないで! お願いします」
「他の町にも猫はいる。君なんか簡単に喰われるぜ」
「……あんたじゃなければいいよ。喰われたって。追いかけて来るのがあんたじゃなきゃいい! ……あんたは僕を追いかけ回すだけ追いかけまわして……何にもしないじゃないか!! いったい僕をどうしたいのさ?」
もう嫌だ。限界なんだ。心臓が痛いんだ。
スウは自分のしっぽを噛みちぎった。
最初のコメントを投稿しよう!