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とはいえ、坂田先生に代わる顧問なんてそうそういるはずがない。
そう思っていた俺は新顧問にあまり期待はしていなかった。
そして運命の入学式。
そこで初めて紹介された顧問は俺の予想を大幅に超える人だった。
河合翔(かわいしょう)―――
この高校の卒業生。
当時、河合先生も陸上部に所属していた。
跳躍選手――
走高跳のインターハイ覇者。
歴代の跳躍選手の中でもトップを争うその跳躍の美しさは今でも語り継がれている。
その河合選手が新顧問として俺たち陸上部を受け持つ。
女子のリサーチによると30代後半から40代あたり。
だけど、そう思わせない若さをもつ先生は女子生徒から人気だ。
生まれてこの方、女の子と付き合ったことのない俺にとったら羨ましいし、ある意味尊敬すべき存在。
俺の一部に先生のあの性格の一部が少しでも加わっていたら、これまでの人生はきっと少しは面白みがあったかもしれない。
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