一.

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三つ折りの便箋を開く。黒々としたインクが流れるような細い線を描いている。初めて見る知らない筆跡だった。 朴訥な白い便箋には丁寧に丁寧に紡がれた文字が並んでいた。 それらが語るのは私の知らない、私の兄の姿だった。
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