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その時。
「お2人さーん。そろそろ、ふたりの世界から戻ってきてくれませんかねー」
隣の席から声をかけられ、はっと気がつく。そういえば、これは、職場の若手飲み会。たまたま今は緑川と2人で話していたわけだけど、よく考えたら、周りにはいっぱい同僚がいるのだった。
すっかりそんなこと、頭から抜けていた。
周りを見ると、何やら面白がるような顔つきで、ニヤニヤこちらを見てくる職場の若者たち。
「ま、オレの話はこのくらいにして」
緑川が手紙を再び財布にしまう。なんだか喉がカラカラになってきた気がして、ぐいっとカシスミルクの残りを飲んだら、すっかり空になってしまった。
また注文しなきゃ。注文用のタブレットを手に取ろうとしたら、緑川がその手に手を重ねてきた。
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