恋愛RPG

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そもそもなんでこんな冗談を言われるような状況になってしまったのかが理解できない。 春の人事異動でやって来たイケメン、緑川。 明るくてほどよくチャラいムードメーカー。 もし好きになってしまったら、沼に決まってるやつ。 付き合えるわけもないのにただただ苦しくなるばかり、身のほど知らずと自分を罵りながらも、あわよくばという夢を捨てきれなくなるような…そんな沼に決まってるやつ。 絶対キケン、とわかっていたので、絶対絶対近づかないようにしようと、出会った瞬間から心に決めていたのだった。…まあ、そんなこと思う時点ですでに…いや、それはおいとくとして。 とにかく、仕事上の関わり以外は絶対に持たないと、初めて会った日に固く誓った。そのはずなのに、どうしてこうなったのだろう。 「城崎さんの好きなタイプってどんな感じ」 「城崎さんてほんといいよね」 気づけばこんなことを気安く言われてしまうような関係になってしまっていたのだった。
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