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「それがこれ」
あんまりうれしかったから、財布にしまって、今も毎日、持ち歩いてるんだと。
緑川が差し出したのは、社内のちょっとした添え書きに使われる一筆箋。
そこには、こうやって書いてある。
『いつもみんなのためにがんばってくれてありがとう、お疲れさま。
あなたのがんばりは、みんな知っているから、これからも胸はって、緑川さんらしくやっていってくださいね』
私は、ひゅっ、と息を飲み込んだ。
とりあえず、読まなきゃと思ってしっかり読んだけど、そんなことしなくても、何が書いてあるか、いやというほど、知っている。
だってこれは、私が何度も何度もやり直しながら考えぬいて書いたメッセージなのだから。
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