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ストーリー ②
新年のある日、貴子は夢を見た。
それは、貴子が懸命に走るのだが、ちっとも速く走れない夢だった。
目が覚めた貴子は、ランニングとハーフパンツに着替えると、自分だけの練習場と決めている河原の土手で1000本ダッシュを始めた。
貴子は何度も何度もダッシュを続ける中で、何か不確かだが 速く走るコツを幾つか得たような気がした。それは説明しようとしても、多分他の者には解らない感覚だった。
貴子は何かしら気持ちが晴れてスッキリしたようだった。
ふと見ると、ギャラリーは いつものイケメン三人組がいたので寂しくは無かった。
貴子は、それにも気付かない程 練習に打ち込んでいた。
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コーチ
「おっ!貴子、どうしたんだ、タイムが格段に縮まってるぞ!何か特別な自主トレでもやったのか? 」
貴子
「いえ、いつも通りの1000本ダッシュをやっただけですよ。」
コーチ
「1000本ダッシュかあ。皆んなで刺激しあいながらなら出来るが、一人でやるのは…相当自分を追い込まないと出来ないだろ。」
貴子
「う~ん、私バカだから… 一つの事しか考えられないからなあ。」
コーチ
「そうか。そこが貴子の凄いところだな。集中力っていうのか…
今度は地区予選だ! 思いっきりヤってこい!」
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学校での練習が終わって…
貴子が帰る時は、必ず三人組が一緒だ。
みんな貴子に抜け駆けしないかお互いに張り合っている。
コージ
「貴子ちゃん、今日〇〇〇バンドのCD 発売日なんだ。一緒に音楽堂に行こうよ!」
タロウ
「そんな事に貴子ちゃんを付き合わすなよ!
貴子ちゃん、駅前に美味しいイタリアンの店がオープンしたんだ。奢らせてよ。」
シュー
「貴子ちゃん、…… 」
貴子
「ゴメン、今 どうしても集中したい事があるの。 また今度ね。 」
貴子は真剣に考えていた。どうすれば、あとコンマ 5秒タイムを縮められるかを……
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