ストーリー ②

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

ストーリー ②

新年のある日、貴子は夢を見た。 それは、貴子が懸命に走るのだが、ちっとも速く走れない夢だった。 目が覚めた貴子は、ランニングとハーフパンツに着替えると、自分だけの練習場と決めている河原の土手で1000本ダッシュを始めた。 貴子は何度も何度もダッシュを続ける中で、何か不確かだが 速く走るコツを幾つか得たような気がした。それは説明しようとしても、多分他の者には解らない感覚だった。 貴子は何かしら気持ちが晴れてスッキリしたようだった。 ふと見ると、ギャラリーは いつものイケメン三人組がいたので寂しくは無かった。 貴子は、それにも気付かない程 練習に打ち込んでいた。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ コーチ 「おっ!貴子、どうしたんだ、タイムが格段に縮まってるぞ!何か特別な自主トレでもやったのか? 」 貴子 「いえ、いつも通りの1000本ダッシュをやっただけですよ。」 コーチ 「1000本ダッシュかあ。皆んなで刺激しあいながらなら出来るが、一人でやるのは…相当自分を追い込まないと出来ないだろ。」 貴子 「う~ん、私バカだから… 一つの事しか考えられないからなあ。」 コーチ 「そうか。そこが貴子の凄いところだな。集中力っていうのか…  今度は地区予選だ! 思いっきりヤってこい!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 学校での練習が終わって… 貴子が帰る時は、必ず三人組が一緒だ。 みんな貴子に抜け駆けしないかお互いに張り合っている。 コージ 「貴子ちゃん、今日〇〇〇バンドのCD 発売日なんだ。一緒に音楽堂に行こうよ!」 タロウ 「そんな事に貴子ちゃんを付き合わすなよ!  貴子ちゃん、駅前に美味しいイタリアンの店がオープンしたんだ。奢らせてよ。」 シュー 「貴子ちゃん、…… 」 貴子 「ゴメン、今 どうしても集中したい事があるの。 また今度ね。 」 貴子は真剣に考えていた。どうすれば、あとコンマ 5秒タイムを縮められるかを……
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!