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目覚め
何だか物凄く長い間寝ていたようだ。
僕が目を開けると、何故か医務室のベッドで、僕の周りを沢山の人が囲んでいた。さらに何故かそのベッドに、グエンも仲良く並んで寝転んでいて、僕の目を見ると何と!グエンが涙を流して僕を抱きしめた。
怖い夢でも見たのかな?
しかし、この状況は何だろう?
「おはようアレン。気分はどうだい?」
「アレンアレンアレンアレン!」
何故か変態兄貴どもが揃っていた。兄上留学先はどうしたのだろう。竜の国にいるはずなのに。
「お前は体調変化が思わしくなく、倒れて意識が無かったんだ。1月以上」
「え!あっ、何だか力が入らないし、お腹が空いたし、喉もかわいてー」
「少しずつ体調を戻そう」
グエンが優しい。皆にも心配を掛けたようだ。
「ごめんなさい。皆有り難う!」
「いいのよ。身体のことだけ考えて」
母上達に頭を撫でられて、子供に戻った気がした。
急にはダメだからと、重湯とお茶をゆっくりとって、また寝かされた。身体がダルく、まだ本調子ではないようだ。職場の方は連絡がいっているから大丈夫だそうで、一安心した。ただーー
「僕の身体、分化終わったかな?」
「見かけじゃ分からないから、少し体調が戻ったら医者に診てもらおう」
「そうだね。グエンごめん。心配掛けただろ?」
「しおらしいお前は気持ち悪い。早く元気になれ」
「気持ち悪いって、お前なぁ~」
グエンは相変わらずだ。ちょっとホッとした。
でも、グエンが無理に普通どおりにしてくれていたのを後で知った。
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