発情期

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発情期

 体力が戻るまでに1月かかり、漸く仕事に戻れそうという段階になって、何と!僕に重い発情期がやってきた。  その日は朝から身体が熱く、「風邪かなぁ?」とか暢気に考えていたのだが、昼過ぎになっていよいよ「これはもしやーー」と思い、慌てて医務室に飛び込んだところ 「分化完了ですね。おめでとうございます。これでΩとして、妊娠可能な身体になりました」 「αと番にならないと、この症状は毎回くるんですか?朝から身体が熱くてダルいのですがー」 「そうですね。発情期は番を得ると軽くなります。番にしか反応しなくなるので。期間も長く、1年に多くて3~4回くらいですね。個人差はありますが」 「番がいないとどうなりますか?」 「近くにいるαに全て反応するので大変ですよ。薬で抑えられますが、キツイ薬ですので胃腸や肝臓に負担が。早く番を得られることをオススメします」 「わかりました」 「抑制剤と避妊薬と胃腸薬を処方しておきますね」  いよいよだ。早くグエンに知らせないと!  ダルい身体にムチ打って、職場にいるグエンを訪ねることにした。  久しぶりの職場は相変わらずガヤガヤしていて、皆の訓練の声を耳にすると、何だか身体がシャキッとしてきた。僕もまた訓練に混じってひと暴れしたいが、もう無理だろうーー  受付にグエンへの要件のみ伝えて、また家に戻ろうかと思ってきびすを返すと、僕の姿が見えたのかグエンが追いかけてきた。 「どうした?具合悪くなったのか?」 朝から熱っぽいのを知っているグエンは心配そうだ。 「いや、むしろ違った意味でヤバいんだ。だから1週間ほど、グエンにお休み貰おうかと」 「ん??どういう意味だ?ーーーーーあっ!」 「来たかっ!!」 「うん!」 「やったやったやった!!!やっと来たか!!」 「おう!」 「この日をどれだけ待ちわびたか、ハネムーンだ!」 大声で叫んだ上に、僕を抱きしめてクルクル回りだしたものだから…… 「うぁ~恥ずかしい~目が回る~気持ち悪いぃ~」 職場で目立って恥ずかしかった上にー酔った。  休暇の申請はすんなりと通った。期間は1週間、ギリギリ一杯だ。
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