魔法省へ

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 次の復帰報告は魔法省だ。とてもお世話になったし、今後こちらに異動になる可能性が高いので、挨拶は大事だ。  魔法省の入り口を通り、勝手知ったるヴァイスの部屋に行くと、ソフィーナ姫が部屋から出てきたのに遭遇した。姫はこちらを見るなり ……っ! やはり驚いた表情をした後、にっこり笑って 「驚いた!アレン凄い美人になったじゃない!羽化した?」 「……蝶々じゃないです」 「見違えたわ!ヴァイス~弟来てるよ~」  義兄を呼んでくれた。「入れ」と中から声がしたので、早速挨拶に向かうことにした。 「分化の相談も、倒れたときも助けてくれて、本当に有り難うございました。義兄上のお陰で、どうにか間違わずに、正しい方へ進むことが出来ました」 「あぁ、良かった。心配したぞ。で、結婚式はいつするんだ?予定を空けなきゃならんから、決まったら直ぐ教えて欲しい」 「急だけど、2ヶ月後の予定。悪阻が無ければ」 「できたか?」 「多分」 「では、出産後はこちらに異動だな!落ち着いたらで良いから来てくれ。楽しみにしているぞ」 「しかし、義兄さん達はいつ結婚するんですか?」 …… …………っっ!(赤面) ありゃりゃ、これではまだまだ先になりそうだ。 姫が適齢期のうちに、どうにか納まって欲しいものだが、どうだろう。無理か~  そして2ヶ月後の快晴の日、僕達は結婚式を挙げた。身内だけで和気あいあいとした、簡単な式にしたつもりなのに、沢山の参加者が軒並みやってきて、それはそれは賑やかな式になった。グエンは「女神を娶った男」として、やっかみ半分祝う気持ち半分の同僚や友人達にしこたま酒を飲まされ、次の日は人生初の宿酔いを経験したくらいだ。うわばみなのに。  僕は妊娠中だからノンアルコールで。あ!やっぱり懐妊していました!性別はこの星なので未分化だからみな同じ。前世の記憶が少しある僕にとっては、少し不思議な気分だけど。 楽しみだ!
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