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関係が変わっても、身分も違うし親友でもあるし、やはり結婚は未分化のままでは無理だと、僕は諦めていた。このまま僕は独身で、グエンは何処かのお姫様を娶るんだなぁと思っていた。分化が始まるまでは。
ある日、下腹が痛くなり、初めはお腹をこわしたかと思っていたのだが、何だか前世に覚えのある痛みだったから
「すみません。医務室まで行ってきます」
仕事を抜け出し、医務室で診察してもらった。
症状を伝えたところ、
「おめでとう。分化が始まったようだね。女性体に」
「軍は辞めないとダメかなぁ?」
「変化が安定してから決めれば良いよ」
生理の道具と痛み止めをくれた。
グエンに話そう。どう切りだそう。そう悩んでいたのだが、恥ずかしくて言い出しにくく、気付いたら数カ月経っていた。いつまで経っても胸もそのままだし、アレもそのままで。
女性化は時間が掛かるのだろうかと、何だか不安になってきた。グエンにも伝えにくいし、また医者にみてもらわなきゃと思っていた。
セックスの間にグエンが
「分化が始まったのか?アソコの具合が変わったような」
「緩くなったのは誰のせいだ!」
「俺かぁ」
どうにか誤魔化したが、きちんと女性化が始まるまで言い出しにくかった。見かけは未分化のままなのだから。
「分化しようと未分化だろうと関係ない。嫁に来い」
「お前の家が許さないだろ?」
「次男だし、問題ない。両親もお前なら文句無しだ」
「周りが許さないだろうが」
「親戚なんぞどうでも良い。問題ない」
グエンはそう言ってくれるが、そうもいかないだろう。
結婚問題は兎も角、外見が未分化のままなのが気になるので、今週末こそ医者に行こう!
分化が途中止めのまま進まないのなら、独身で軍隊生活継続決定だし、分化が進むならグエンの嫁で決定だ!
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