遠距離

Beginning

「やっと終わった。」
そう思わず呟いた。長い学校生活が一区切りしこれから夏休みだ。
今年も一年ぶりに日本に帰る。いつもは１年半や２年に一回の一時帰国だが今回は特別。なぜなら夏休みがとんでもなく長くまたこれが学生でいられる最後だから。これを逃したらこんな長い休みは二度とない。そしてなにより今回はクラスメートの一人と一緒に旅行をする。これが楽しみでならない。年の瀬から計画を練りホテルもバスや飛行機も事前に予約済み。この日本に帰れることを目標に勉強を頑張ってきた。

パッキングも終え、友達の親が空港まで送ってくれた。
いつも帰るときは１３時間のフライトも苦ではない。しっかり休み成田に着いた。

友達と合わせて大きいスーツケース４つは持ち運びに不便のため、小さいスーツケースを買い必要なものだけを詰め込む。あとは実家にまとめて送ればなんとかなる。

成田から東京駅へシャトルバスが１０００円で出ているため、それで東京駅に向かった。これからバスで１１時間かけて青森の弘前へ向かう。その前に汗をかいているためシャワーを浴びたい。ネカフェに行くとあいにく土曜日ということも相まってか空きがない。なんとか探し出し、シャワーを浴びる。まだ時間もあったため周辺を探索したが何分荷物運ぶのにも疲れしまったため、ベンチで休憩。時間を潰すことにした。
ただひたすら友達を喋り倒し、時間になったためバス停に向かい乗車。

１３時間のフライトと時差ボケを相まってバスの中は熟睡できた。
目が覚めたときにはもう弘前に着いていた。
弘前駅に着いてから荷物をコインロッカーに預け、ドトールで朝食をとる。久しぶりの日本のサンドイッチはおいしい。海外のまずいというわけではないが、やはり慣れ親しんだ味は嬉しくてついつい頬が垂れてしまう。

ゆっくりできたし時間も９時になろうとしていた。忙しくなる前に動かないと思い、弘前駅からバスで弘前城に。

今この時期は弘前城の桜まつりをしている。今回は桜を見るためにこの旅行を計画した。他にも理由はもちろんあるが、青森に来たというのは桜の為だけと言っても過言でない。
お城に近づくにつれ人がどんどん増えている。そして桜が見えてきた。