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「まぁ、イーサン。あなたは何を想像したの?」
「何って、花の精霊ってどんなのかなと思って、色々想像しながら、精霊の力で花をさかせてくださいってお願いしたんだ」
「あなたには、確かに植物の精霊の力が宿っているわ。見てごらんなさい。親指からはオルキス・イタリカ。英語ではNaked Man Orchidと呼ばれている通り、帽子をかぶった裸の男性みたいでしょ?」
「ほんとだ。真ん中に僕と同じのが生えてる」
無邪気に笑うイーサンにつられ、ハンナも声を立てて笑い、一通り笑いが収まると、人差し指の花の説明に移った。
「見た通りのダンシングガール。中指は、モスが羽ばたいているようなモス・オーキッド。薬指は、キンギョソウだけれど、ちょっと見ていて」
ハンナはそういうと、そのキンギョソウだけに指をかざし、どんどん成長を早め、やがて種を収めたさやを実らせると、イーサンが目をまん丸くしてスカルだと叫んだ。
「そうよ。スナップ・ドラゴン・シード・ポッドと言って、さやが骸骨みたいで面白いでしょ?そして小指からはエンジェル・オーキッド。女神にも見える花ね」
「でも、これはグランマが生やしたんでしょ?僕の力じゃないよ」
「いいえ、私はあなたがイメージしたものに反応した植物が育つように働きかけただけよ。私が8歳の時は2種類の植物しか出せなかった。あなたには大きな力が宿っているわ」
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