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ハンナが自分のことのように喜び、イーサンとそっくりな美しい緑色の瞳を細めながら彼を称えたので、イーサンは植物はあまり興味がないと言ったことをすっかり忘れて、自分でもネットで植物の種類を調べてみようと思った。
「いい子ね。イーサン。どうか私のあざが無くなるときには、あなたが一族の代表として選ばれますように・・・・・」
イーサンは首を振ろうとして、自分の体が自由にならないのを感じた。
いやだよ。だって、グランマは精霊の印を持つものが亡くなると、一族の他の者の身体に印が現れると言ったじゃないか。
そう言おうと思ったのに、唇さえも開かず、言葉にできない。
ハンナの服を掴もうとして伸ばした手が、子供の手とは違う大人の手になっているのに驚いて引っ込めた途端、ハンナは薄れていき、真っ白な光に包まれて、消えてしまった。
「ハンナ!」
パチッと目を開いたとたんに、窓から差し込むまぶしい光に目を射られ、イーサンは手の甲で遮ろうとしたが、そこに浮き出た模様を見て一気に目が覚め、ベッドに飛び起きた。
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