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昨日までは無かったリーフの形のあざに目を見張り、イーサンはスマホをつかんで実家に連絡を取ろうと、画面をオンにしてロックを外す。
大学入学と共に一人暮らしを始めてはや7年の間に、自分から連絡したのは何度になるのか忘れるくらいなので、履歴からではなく電話帳を繰ることになった。
寝起きで、しかも動揺しているため、間違えて造園事務所の方にかけてしまい、舌打ちしながらようやく実家へのコールを鳴らすことに成功した。
まだ、朝が早いためか誰も出ず、コールが何度も鳴り響く度に、否が応でも緊張感が増してくる。プツッと繋がる音がした時には、不安で早く出ろよと叫ぶところだった。
「もしもし?」
「グランマ?ハンナ……・無事なの?一体どういうことだ?」
「イーサン、一体どういうことって、こっちが聞きたいわ。音沙汰の無いあなたの名前がこんなに朝早くから表示されたら、何かあったのかと心配になるでしょ」
「ハンナ、印は元気?じゃなかった。あー違った。俺は何を言ってるんだ」
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