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ひょっとして祖母が亡くなったのじゃないかと思って、慌てて電話したのに、本人が出たため、イーサンは安心半分、困惑半分で、自分でも何を聞けばいいのかわからなくなっていた。
「イーサン。ひょっとしてあなた精霊の印が出たの?」
「あ…うん。そうだけど。ハンナが無事で良かったよ」
「実はね、甲状腺に異常があって検査をすることになったの。一族の医者にかかったのだけれど、専門の医者に診てもらったほうがいいと言われて、あざを消してもらったの」
「そういうことか。でも、あざが消せるなんて初めて聞いたよ。レーザーか何かで焼いたのかい?」
電話口でハンナがクスクス笑いながら、まさかと答えたので、愚問だということが分かり、イーサンは寝起きで絡まったライトブラウンの髪を、片手で解すようにガシガシとかき上げた。
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