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「そんなものでは印は消えないわ。聖なる印を消すには、ある術を使える魔女に頼まないといけないの」
「魔女?この時代に?俺、まだ寝ぼけているのかな?」
ハンナがまた電話口でクスクスと笑っている。
「そういえば、俺たちも不思議な一族だってことを失念していたよ。精霊の子孫がいるなら魔女がいてもおかしくないわけだ」
イーサンは今度は額に垂れてきた前髪を力いっぱい後ろへと撫でつけながら、ため息をついた。
「そうよ。もし、あなたが印を消さなくてはいけなくなったら、サンタモニカ山脈の麓の病院で、形成外科をしているカミラ・プティに連絡を取りなさい。私からの紹介と言えば普通の治療じゃないことが分かるわ」
「その人が魔女なわけ?黒い帽子と服を着て、ほうきに乗っている白髪の老婆だなんて言わないよね?」
「いいえ、赤い髪と緑の目のとびっきりの美人よ、年齢は30歳ぐらいだけれど、魔女だから実年齢はわからないわ」
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