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周囲の木まで感電したように緊張を孕み、一定方向を向いた葉に太陽の光が反射して、それはだんだん広がって、森全体が発光したようになる。そしてペールグリーンの光が火柱のように一斉に空へと放たれた。
木々が、草が、すべての植物がイーサンの誕生を祝っている。それを感じたイーサンは心の感ずるままに木々に語りかけていた。
「俺が新しい植物を司る精霊だ。名前は・・・・・ガーデナー。他の種族たちに俺の誕生を知らせてくれ」
まるで木々が礼を取るように、イーサンに向かって柔らかい枝を曲げる。
突風が巻き起こり、伝達の葉を遠くへ運んでいく。地下へと潜った木の根が、大地と水に植物の精霊の誕生を告げた。
『誕生だ!我々の新しい精霊が誕生したぞ』
『誕生だ!植物の新しい精霊が誕生したぞ。名はガーデナー。我々大地の精霊アイナに伝えねば』
『私たち水の精霊マーレに、植物の精霊ガーデナーの誕生を知らせましょう。急いで!大地の下を流れる水たちよ。マーレのもとへ』
『風の精ラファルはどこだ?吹けよ風。我らが風の精霊に、ガーデナーの名を伝えよう』
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