ルナ、お手伝いしたもん

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 何? 餌? ふと顔をあげたルナの上に、にゅっと知らない顔が付き出され、ぎゃ~~~っ!!と驚いたルナは、頭上の冠羽をまっすぐに逆立たせ、身体を左右に揺らしながら、が~が~と威嚇した。 「元気ね、この子。オス?メス?どっち?」 「それが、成鳥になるまで分からないんです。オカメインコは気が優しいですし、このくらいから飼うととても人慣れするので、鳥をお望みならお勧めですよ」 「そう、じゃあ、この子をいただくわ。ケージも食べ物も必要なものを揃えてちょうだい」 「はい、畏まりました。ありがとうございます」  そうして、ルナはカミラのペットになった。  まだ固形の物が食べられないルナのために、カミラは注射器のような容器に練り餌を入れて、ルナの口元に持って行く。  匂いにつられて、ルナが警戒しながらもパクリと先端にかじりつくと、温度もちょうど良く、美味しい餌がくちばし一杯に押し出され、ルナの目が笑っているようなかまぼこ型になる。  満足気なルナに、カミラは優しい顔で語りかけた。
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