ルナ、お手伝いしたもん

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【サンタモニカ山脈の一軒家で変死体が発見された。  男は銃で頭を撃たれていて、弾は貫通しているが、弾が入った傷が見当たらないという。  この男はロサンジェルス界隈を牛耳るギャングの一味と見られ、室内に複数の足跡があることから、この事件がギャング同志の争いによるものなのかどうか目下検討中。  尚、この一軒家の持ち主イーサン・トガシは行方不明であり、なんらかの事件に巻き込まれた可能性を含めて捜索中である】  思わず新聞を握りつぶしたカミラは、肩の上でかりかりと頭をかいているルナを睨みつけ、その身体を手で掴もうとしたが、ルナの方がいち早く危険を察知してカーテンレールの上に逃げた。 「こぉ~らルナ!あんた何やってるの!?あんなに相手を確かめろって言ったのに」 「だって、お昼寝してて、名前聞けなかったんだもん」  使役になったルナは、人の言葉を解して話せるようになったが、人前ではペットのフリを崩さず、物まねしかしない。  だが、カミラと二人っきりの時は別で、かわいい声でさえずるようにぺらぺらとしゃべる。
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