秘密の取引

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 どんな環境で100%発芽するという状況に至ったのかを発表しろということになり、イーサンが今までのデーターと照らし合わせて発表をするが、職員たちには変わり映えのしない左右の表を見比べたところで、答えを得られるはずもなく、ただの偶然という結果に困惑の色を濃くするより他はなかった。  発表が終わってイーサンが席につくと、事務の女性から飲み物と一緒にメモを渡された。  会議中に何だろうと思いながら開い見ると、電話の時刻とハンナからのメッセージだと記されていて、その下の内容を読んだ途端に、イーサンは目を眇め、眉根を寄せて眉間のしわを深くした。  『早急にカミラ・プティを訪ねなさい』  カミラ・プティ?どこかで聞いたことのある名前だと記憶を手繰りよせると、イーサンの頭の中に、ハンナが首にあった精霊の印を消すのを依頼した形成外科医で、本当は魔女だという女性のことが思い浮かんだ。  そしてハンナが、もし、印を消す必要が起きた場合には、レーザーでは消えないから、特殊な魔法を使えるカミラ・プティを頼れといったことも……。
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