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オナガの天敵は、主に猛禽類とカラスのようだ。私の住む街では、よくトンビが悠々と空を飛び交いながら獲物を探している。
空も飛べない人間などに気を取られている場合ではない。
近所の家のアンテナに止まっていたオナガは、周囲をしっかりと見渡すと、翼を広げて近くの樹木に飛び移った。
オナガはピョンピョンと器用に枝を飛び越えながら、中にある巣に帰還を果たした。
よくその様子を眺めると、奥さんと思しき鳥が滞在しており、何やら動くものが見える。
どうやら、餌を運んで来たらしい。
その父鳥が姿を見せると、小鳥たちはピーピーと声を上げ、父鳥は順番に小鳥たちに餌を与え始めた。すると、今度は母鳥が飛び立っていく。その姿は私が父鳥と思っていた鳥とよく似ている。
もしかして、逆だったのだろうか。
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