Side:Keisuke

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Side:Keisuke

誰よりも愛しい女が、すやすやと寝息を立てて隣で眠っている。 ──無理させたな。 自分でも思い出すと引くくらい、欲望が止まらなかった。終わったあと、つぐみは失神するように眠ってしまった。 ずっと前から好きでたまらなかった女を抱いた。俺にとって昨夜は夢みたいで、こうして目覚めてみると幻だったんじゃないかとさえ思う。 「佳祐……?」 つぐみの寝顔を見つめていると、彼女が眩しそうな顔をしてほっそりと目を開けた。目の下に少し(くま)ができている。 「おはよ、つぐみ」 「うん、まだ寝る……」 「今日、何講から?」 「行きたくない、休む……」 つぐみは寝ぼけているのか、そう言って俺にぎゅっと抱きついてきた。──もちろんお互い、裸だ。 「つぐみさん、朝から誘ってる?」 「うるさい」 「ひどいな、昨日あんなに愛し合ったのに」 「愛し合うとか言うな。キモい」 「いや、キモいって」 一応、彼女になるって言ってくれたんだけどな。あれはやっぱり夢だったのか? 「今日金曜だし、もう、いいよ……」 「休むなら夜の続きだけど、いい?」 そう言ってつぐみの頬にキスをして、お尻に手を這わせる。 「……やっぱり行きます」 つぐみは俺の身体から逃れるように離れて、観念したように起き上がった。
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