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Side:Tsugumi
シャワーも浴びたいし着替えたかったので、一旦家に戻ってから大学に行くことにした。
佳祐の家からの帰り道、昨夜のことを思い出しては赤面して。周りから見たら、完全に不審者だったに違いない。
──あんなふうに抱かれるなんて。
「好き」とか「可愛い」とか、一生分言われたんじゃないかって気がする。
めちゃくちゃに抱かれて、最後の方の記憶はほぼない。激しくてタフで、でも優しくて。気持ちよくて身体も心も溶けそうだった。
佳祐って、エッチ、うまかったんだ。それとも相性の問題?……気持ちの、問題?
つぐみ、って掠れた声で呼ばれるたびにきゅんとして、キスされるたびに震えて。
ずっとずっと、親友だったのに。佳祐が「男」になることなんて、考えられなかったのに。
気づいてしまったら、もう最後。わたし、思ったよりも佳祐に惹かれてる。
──俺の彼女になってくれんの?
もう記憶も曖昧だけど、眠りに落ちる直前に佳祐にそう訊かれた。うん、って返事したのも覚えてる。
そのままぎゅって抱きしめられて眠って、気づいたら朝だった。
「わたし、今日から……佳祐の、彼女?」
熱いシャワーを浴びながらぽつりと呟く。言葉にすると、実感が湧いてくるような気がしたけど──全然、そうでもない。
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