Side:Keisuke/Tsugumi***

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Side:Keisuke/Tsugumi***

「け……いすけ、あのね」 もうそろそろかも──回らない頭でそんなことを考えていると、ベッドの軋む音や水音に混じって、つぐみの小さな声が耳に届いた。細い腕がすっと俺の首に回される。 「ん?」 「あのね……好き……」 「……え?」 「だから、佳祐が……好き。大好き」 汗と涙でぐちゃぐちゃの、少し火照った顔。予想もしていない言葉に思わず動きを止めた俺を見て、つぐみは照れたように「え、終わり?」と笑った。 ──このバカ。そんなこと言われたら、もう……。 「……悪いけど、今日は寝かせない」 どこまでお前のことを好きにさせるつもりだ。そんな思いを込めてつぐみを掻き抱き、彼女の最奥まで何度も腰を打ち付ける。 もうだめ、いっちゃう。艶を含んだ甲高い声が響いて、俺も自身の限界が近いことを悟った。 *──Side つぐみ 目を覚ますと、まだ辺りは薄暗かった。終わったのが何時頃かは知らないけど、今はどうやら朝方のようだ。 下半身が気だるく、腰に鈍痛を感じる。今日は使い物になりそうにない。バイトが休みでよかった──なんて、ぼんやりとした頭で考える。 「……毎回こんなんじゃ身体持たないっての」 隣ですやすやと眠る佳祐の髪にそっと触れた。汗で髪が額に張り付いている。 ──でも、幸せ、なんだよね。 エッチってこんなに心が満たされるものなんだって、佳祐と付き合ってから知った。自意識過剰ではなく、確かに「愛されてる」って思えるなんて……きっと、わたしはすごく幸せ者だ。 「佳祐、好きだよ」 小さな小さな声で呟くと、佳祐の身体がぴくっと動いて「俺も」と呂律が回らない口調で返された。 まさか聞こえてた?なんて焦っていると、すぐに規則正しい寝息が聞こえてきて、拍子抜けしてしまう。 寝てるくせに返事するって、どういうことなのよ。 子どものような寝顔を見つめていると愛しさが込み上げてきて、その大きな身体にぎゅっと抱きついた。 大好きだよ。ずっとわたしと一緒にいてね。そう、心の中で呟きながら。 ──いつか、ちゃんと素直に言えるといいな。
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