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長い年月の間、ずっと一緒に過ごし仲良くなれる友人というものも私には居る。その一方で、80年かそこらの人生の中で、実際に面と向かって会えるのが、一日だけという人もいる。
一期一会とはそのようなものだろう。
みゆきちゃんは、私に、たった一日であっても、友情は結べる、ということを教えてくれた人だった。
そう考えたら、彼女も私が会うべくして会った人だったのだと感じる。
物理的に距離が離れたとしても、心の中に残る人というのはいる。
中学の卒業直前になって、訳あって停学になり、一緒に卒業式に参加できなかった子も。
こないだ、留学先で新口座を開設する際に話した「カードのデザインは、『フジ様(富士山)』がいいんじゃない?」と日本語を交えて少しユーモアのある話し方をしてくれたロシア人のお兄さんも。
今日、飛行機で機内食を「チキンか魚かどちらにしますか」と聞かれて「どっちも!」と答えて「一個しか選べません」とCAさんに呆れられていたイタリアから来たという愉快なおじさんも。
「あの子がいなくなった」と言うときに、あたる「あの子」というのはきっと、「物理的に会えなくなったとしても、心の中にはずっと残る人のこと」なんだと私なんかは思うのだった。その人と共に過ごした時間の長短には関係なく。
「あの子」の存在が増えるのは、嬉しくもあり、悲しいことでもあると思う。
けれど、それら一つ一つの節目に何を感じるか、ということを大切にしていきたいな、と思った。
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