月の窓辺

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月の窓辺

いつも、月を見ている女性がいた。 僕が家へと帰る道の途中、高い窓辺から遠く夜空にかかる月をその人はいつも眺めていた。 いつからか、その姿を見るのが日々の当たり前になった。 窓辺にはベッドがあって、髪の長いその女性は病に伏せってもいるのだろうか。 今夜も月を見ている……と、見かける度に安堵をしたりもした。 よかった……此の夜にも、彼女はそこにいてくれたと。
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