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外が真っ暗になったので、そのまま縁側に座布団を2枚並べて私も横になった。外泊を撤回して病院に戻るつもりだったが、この家の臭いも慣れて、宮田さんがストレスだらけの環境の中で、ストレスを感じていないことに驚いて観察したくなったからだ。
「私も宮田さんのように、何も疑わずに平気な顔をして全てを受け入れたら、最強になれるかな」
強いって、意地張って一人で抱え込むことじゃないんだね。何があっても動じないで、周りを包み込む笑顔を見せられることなんだね。
私が望む理想通りの言葉を言ってくれないと言って別れた人間たち、私の健康のためにしっかり働きなさいと喝を入れつづけてきた免疫細胞たち、自分のこと棚に上げて酷いこと言ったね。
「みんな、ごめんね」
これから会う人たちや、残ってくれている細胞たちを大切にして、もう一度生きたいと思った。
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