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莉央は、自分のことで頭がいっぱいで聞いていなかったが、遼も合格していた。
ふたりは、そろって「入学のしおり」みたいなをもらって、門に向かって歩き出した。
(なんか言ったほうがいいのかな。何言おう?)
「今日は晴れて良かったよ。雨ならまだしも雪だと、また濡れちゃってたかもしれないから」
(シメタ!向こうから話題を提供してくれた。天気の話題 だけど。)
「あの、どうして雪だと」
「僕は北海道人だからね。雪の日に傘っていう習慣がないんだよ。入試の日も始発の電車で、5時頃はおもいっきり雪降ってたから、
高校のときから着てるあったかいコートを着て出たんだけど、雨になるとはねぇ。参ったよ。って、自己紹介してなかったね。僕は、新堂遼」
「あ、私、田山莉央です」
「敬語はやめよう。同級生なんだし。友達だし」
「う~~~うん」
莉央が若干、押され気味で心中複雑状態ながら、
(私、なんかちょっとウキウキしてる?あれ?)
と、自分の精神状態に疑いを持ち始めた、そのとき、遼が、ポケットからスマホを取り出した。
「ちょっとゴメン」
スマホを見て、ちょっと驚いた顔をするとニヤっとして、すぐに操作して、ポケットに戻した。
「ああ無情 か」
小さな声で、ツッコミを入れてる。
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