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莉央は、「濡れネズミ」姿で隣にやってきた遼のことを思い出した。
(「濡れネズミ男」はやめよ)
「こっちでは雪の日は傘が必要ですよ」
「うん、そう思うよ」
「東村山ったら..電車、なんですか?」
「西武新宿線」
「西武新宿線なら高田馬場で乗り換えなんじゃなかったっけ?」
「え?」
「予備校、高田馬場でしょ?」
「うん」
「西武線で一本だったんじゃない?」
「うん、駅降りて歩いて3分?予備校まで」
「だったら、そこに山手線..緑の電車も来てるよ」
「そうなんだ。知らなかったよ。でも、それなら安心だ。新宿駅から西武新宿駅まで、ちょっと不安だったんだよね。はは」
「かなり不安です」
「高田馬場ならわかる」
「なんか、大丈夫かなぁ」
「いや~大丈夫...かな?まあ、行方不明にはならないよ...多分」
新堂遼は、かなりの方向音痴のようである。
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