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莉央は、今まで男子と「お付き合い」をしたことがない。デートもない。
香に言わせれば「そこそこに」、千佳によると「私の次くらいに」、かわいいらしいので...中学の頃から、それなりに告白されたりはあった。が、極端な人見知りとアガリ症、それに神経質(香による)のため、とてもそんな気になれず、全て「ごめんなさい!」でパスしてきたのだ。
当然、年ごろの女の子らしく、「甘酸っぱい よりも..超甘々 の恋」を夢見ているのだが、現実は「甘くない」。
そんな莉央に いきなりデートの誘いである。
そう、これは「デートの誘い」なのだ。少なくとも、莉央はそう理解した。
(さあ、困ったぞ。どうしよう)
今日は月曜日。金曜と言えば、後4日しかない。
莉央にとって「デート」は一大イベントである。それなのに、後4日しかない、というのは緊急事態なのだ。
...「断る」という選択肢は、今の莉央にはないらしい。
思い余った莉央は、国立大学の入試に向けて勉強中 かつ 合格の報告が遅れたことを怒っているらしい 香にLINEで相談した。
>ねぇ、入試のときに隣にいた人覚えてる?あの人からデートに誘われたんだけど、どうしよ?
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