第三章 春休み~ ①

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 莉央は、今まで男子と「お付き合い」をしたことがない。デートもない。  香に言わせれば「そこそこに」、千佳によると「私の次くらいに」、かわいいらしいので...中学の頃から、それなりに告白されたりはあった。が、極端な人見知りとアガリ症、それに神経質(香による)のため、とてもそんな気になれず、全て「ごめんなさい!」でパスしてきたのだ。  当然、年ごろの女の子らしく、「甘酸っぱい よりも..超甘々 の恋」を夢見ているのだが、現実は「甘くない」。  そんな莉央に いきなりデートの誘いである。 そう、これは「デートの誘い」なのだ。少なくとも、莉央はそう理解した。 (さあ、困ったぞ。どうしよう)    今日は月曜日。金曜と言えば、後4日しかない。  莉央にとって「デート」は一大イベントである。それなのに、後4日しかない、というのは緊急事態なのだ。 ...「断る」という選択肢は、今の莉央にはないらしい。  思い余った莉央は、国立大学の入試に向けて勉強中 かつ 合格の報告が遅れたことを怒っているらしい 香にLINEで相談した。 >ねぇ、入試のときに隣にいた人覚えてる?あの人からデートに誘われたんだけど、どうしよ?
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