春休み~②

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 部屋は、1LDK。学生がひとりで住むにはもったいないような広さだ。 いつでも引っ越して来れるよう、きれいに美装されている。  父の言葉を思い出した。 「ここは、中々の穴場だぞ。交通の便もいいしな。それでいて案外家賃は安い」  母もニコニコしていた。  ここを早い時期から確保しておいてくれたのであろう 両親に、遼は感謝と申し訳なさがないまぜになったセンチな気持ちになった。 (ごめん。でも、やっぱり決着をつけなきゃならないんだ。これだけは、わがままを通させて..)  遼はすぐに正式に賃貸契約をして、引っ越してくることにした。 「ただ、しばらくは迷わないように注意しないとな...この辺は迷いの匂いが漂ってる..」 真面目な顔で ひとりごとを言う遼であった。
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