春休み~③

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 莉央は、そのことより..自分が、おそらくは小学校の低学年以来、久しぶりに、男子に「莉央ちゃん」と呼ばれたことよりも.. このふたりの関係性について、今一つ理解できずに考えていた。 (中学からずっと同じクラスだったんだから 幼馴染みたいなものだしね..でも、杉木さんって呼んでたよね。。)  新堂遼(しんどうりょう)は、杉木倫子(すぎきのりこ)のことを「杉木さん」と呼ぶが、倫子は「遼」と呼び捨てにする。そのことから、ふたりは一種の「主従関係」というか「女王様と家来」みたいな?...のを莉央は、実は想像していた。 ところが、遼は倫子を「お前」と言って、倫子もそれを普通としている。 (難しい...『幼馴染』と『幼馴染みたいなもの』 の微妙な違いなのかしら?これは香に聞かなきゃ)  香は、千佳と莉央にとっての「なんでも大辞典」みたいな存在である。  質問には、即座に答えが返ってくる...嘘やはったりも結構ある..ときには、哲学的だったり宗教的だったりする 訳の分からないことを言う...そういうときは、香自身わかってないのをごまかしているだけなのだが... ふたりは、妙に感心していて、何かあるとつい香を頼ってしまうのだ。
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