春休み~③

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 そこで、勇気を出して、 「やっぱり、男の子の一人暮らしの部屋だから、ピンクばっかりじゃないほうが..」 と、絨毯(じゅうたん)を選んでるときに、ちょっと「一人暮らし」を強調するように言ってみた。 すると、倫子は、 「う~ん、言われてみればそうかも。私の部屋じゃないんだよね、そう言えば。遼はどんなのがいいの?」 (おお、倫子さん、いい人かも) これまた、なぜか、莉央はとってもほっとした。 「俺は、そうだなぁ..莉央ちゃん、何色が好きなの?」 「え?私?私は...ピンク?」 瞬間、倫子の鋭い視線を感じた。 「ふたりともピンクかよ。俺は緑が好きだ」 「じゃあ、緑にすれば」 (やっぱり、倫子さん、怖いかも...っていうか、その質問必要?) 莉央は、遼を呪った...(うれしかったけど)
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