春休み~③

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 (あれ?) ...よく考えてみると、どこに行くのか、わかってないことに気づいた。 「あの、それでどこ行くの?」 「原宿」 遼の返事に、莉央は一瞬、 「え?」 「裏原(ウラハラ)に住むんだって、やあねぇ」 倫子が言う。何が「やあ 」なのかは不明だが... 「へえ、裏原..なんか、かっこいいね。でも、やっぱり、やあねぇ」 「でしょう?」 「なんだよ。何がイヤなんだよ。俺が住むんだぞ」 「だから、イヤなんでしょ」 「家賃が安くて交通環境も良い、中々の穴場..なんだぞ」 「そういうことじゃないんだよ、ね?莉央ちゃん」 「うん、私もそう思います」 「なんだよ」 遼の口からは、もう「なんだよ」しか出てこなくなりつつある。 女子ふたりを相手にして、言い合いをしても勝てる道理はない。 遼は、「なんだよ..交通の便がいいんだぞ..」とか、なんとか、ブツブツ言いながらも黙った。
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